【グアム26日=永野高輔】石さん困った。コンサドーレ札幌は、FW三上陽輔(18)が25日に右膝内側半月板部分断裂で手術を受け、全治2カ月と診断されたことを発表した。昨季U-18所属ながらリーグ10戦3発と活躍。今季も主力候補と期待されていた“新人”だが、3月5日の開幕愛媛戦出場は絶望的となった。MF古田寛幸(19)、MF芳賀博信(28)も回復が遅れており、今季も準備段階から主力の負傷に悩まされることになった。

 3年目の勝負をかける石崎信弘監督(52)に、早くも試練が訪れた。昨季、高校生ながらJデビューを果たした三上の開幕戦出場が絶望的となった。「ケガは仕方ないこと。若いし、無理しないでしっかり治さないと」。平静を保つ指揮官だが、FW、トップ下、サイドハーフまでこなせる万能“ルーキー”を欠く事態となった。

 古傷が悪化した。右膝は昨夏に痛めた箇所。18日の札幌ドーム調整中に人工芝に足をとられバランスを崩したことが負担となった。「人工芝なのでケガがないようメニュー強度を落としたのだが」と石崎監督。昨季は負傷者続出で苦しんだ。反省を生かし慎重に始動したはずだったが、チームづくり序盤から嫌なニュースが先行してしまった。

 三上はグアムキャンプ不参加が決定。2月12日からの熊本キャンプから合流するが当然、リハビリが中心となる。昨季終盤2戦は出場停止の内村に代わり1トップを務め、最終の熊本戦では2得点を挙げたホープ。石崎監督も「1トップでも面白い」と得点源としても期待していただけに、不運なケガで足をすくわれた。

 三上以外にも主力の回復が軒並み遅れている。昨季チームトップタイの5得点を挙げたエース古田も国内調整中に右腓骨(ひこつ)筋腱(けん)を痛めた。昨年10月に痛めた右膝の状態は戻ったが、新たなケガに悩まされている。昨季チーム最多35試合出場の鉄人芳賀も古傷の左足底筋膜炎が再発して別メニュー。2人について佐川トレーナーは「合流メドは1月下旬か2月頭ぐらいか」と話しており、キャンプ前半は全体メニューに加われない可能性が出てきた。

 FW中山雅史(43)も25日まで体調不良を訴え、練習には参加しているが完全復帰は当初予定の2月1日前後からキャンプ終盤にずれ込む方向だ。状況は厳しいが指揮官は「こういうときこそ新しい発見があるかも」と言う。影響を最小限に食い止めるためにも、このグアムキャンプでの新戦力見極めが重要になってくる。