サッカー元日本代表でJFL(日本フットボールリーグ)松本山雅のDF松田直樹(34)が2日午前、急性心筋梗塞のため、長野県松本市内のグラウンドで練習中に突然倒れ、同市内の病院に緊急搬送された。搬送時には意識がなく、心肺停止状態だったという。集中治療室(ICU)で人工心肺装置を使って血流を維持し、微弱ながら心臓の鼓動は戻ったが、同日夜に会見した担当医は「極めて厳しい状況」と説明した。

 元日本代表監督で、現在は中国1部リーグ深セン紅鑽の監督を務めるフィリップ・トルシエ氏(56)は、滞在中の中国で松田が倒れたという一報に絶句した。「非常につらいし、悲しい。家族も心配しているだろう。一刻も早く回復することを心から願っている」と祈るように話した。

 トルシエジャパンの代名詞だった3バックシステム「フラット3」で、松田を右サイドとして起用。00年シドニー五輪、02年W杯日韓大会で守備の主軸として決勝トーナメント進出の原動力になった。「メンバーの中でも特にしっかりした選手。とても強くて頼りになった。自分の現役時代のプレーに似ていると思っていた」。信頼も厚かっただけに、ショックも大きかった。(松本愛香通信員)