<プレナスなでしこリーグ:INAC神戸7-2千葉>◇第13節◇6日◇ホームズ

 首位INAC神戸が、なでしこジャパンFW高瀬愛実(21)の2試合連続、今季3度目のハットトリックで千葉に7-2と圧勝。勝ち点を37に伸ばした。高瀬はこれで今季リーグトップの17得点。ここ4試合で計10得点と、初の得点女王に向けてまっしぐらだ。2位の日テレが伊賀と引き分け、勝ち点差が7に開いたことで、優勝へのカウントダウンも始まった。最短で21日の新潟戦(ホームズ)でリーグ連覇が決まる。

 どこまでも謙虚だった。2度こぼれ球を押し込み、右サイドからのクロスを冷静に押し込み、今季3度目のハットトリックを決めた高瀬は、喜びを押し殺すように切り出した。「毎試合結果を出さないと次の試合に出られないんじゃないかと不安なんです」。そんな自身へのプレッシャーが得点につながった。

 実はこの日は控えGKでもあった。GK海堀が腰痛のためベンチ外。チームにGKは2人だけで、GK武仲の負傷時は、高瀬がGKに回ることになっていた。「GKなんて小学校以来やっていない。試合前に言われて冗談かと思ったけど、麗依(武仲)には『絶対にケガしないでね』と言っときました」。身体能力が高く、なでしこジャパンでもFWだけでなくDF、MFも器用にこなしてきたが「GKはないです。今はFWでいいんじゃないですか?」と苦笑いを浮かべた。

 これで得点ランキング2位の日テレFW永里に3点差をつける17得点。昨年はわずか2得点だったが、初の得点女王も見えてきた。「試合で勝つために点を重ねることでとれたらいい。チームの代表としてとれたらいいと思う」と話した。

 チームも優勝まであと3勝。最短Vは21日の新潟戦で、今後日テレが勝ち続けても、INACが3連勝すれば、28日の岡山湯郷戦(美作)でリーグ連覇が決まる。覚醒した高瀬が今後もゴールを量産し、チームを連覇へと導く。【福岡吉央】