<プレナスなでしこリーグ:INAC神戸2-0新潟>◇第3節◇13日◇ノエスタ

 4連覇を狙うINAC神戸が新潟を破り、今季初勝利を挙げた。高卒ルーキーのMF増矢理花(18)が2得点を決め、開幕2連敗と苦しんでいたチームを救った。FW川澄ら主力5人が抜け、高卒の新人が5人加入した「新生INAC神戸」。前田浩二新監督(45)のもと、フレッシュマンが頭角を現し、待望の初白星をもぎとった。

 開幕2連敗中のINAC神戸を救ったのは高卒ルーキーMF増矢だった。前半14分、CKからのクロスがDF三宅の頭に触れ、ゴール前の増矢へ。冷静に右足で流し込み先制した。後半17分にもFKからのクロスを頭で合わせた。新加入の18歳は「ニアサイドで競ってくれたので自分のところが空いた。落ち着いて決められて、チームに貢献できたのでうれしい」。あどけない笑顔だった。

 昨年3月、INAC神戸の練習生として日韓台3カ国女子サッカー交流戦に参加した。だが右膝前十字靱帯(じんたい)を負傷。手術しリハビリを乗り越え、今季加入した。好きな選手はACミランの日本代表MF本田圭佑だ。「チームが苦しい時に点を取れる選手だから」。まさに苦しい場面で2ゴールを挙げたが「私はまだまだ全然なので」と謙虚な姿勢を貫いた。

 ベテランMF澤も「得点感覚、嗅覚が優れている選手。相手が取りづらい位置にいてくれるのは理花のいいところ。これから1点でも多く取って欲しい」と期待感を口にした。

 FW川澄やDF近賀らを欠く中、この日は高卒新人5人中4人がピッチに立った。先発の平均年齢23・3歳。4連覇へ、新たな戦力が成長を遂げている。【辻敦子】

 ◆増矢理花(ますや・りか)1995年(平7)9月14日、徳島県生まれ。JFAアカデミー福島を経てINAC神戸に入団。セールスポイントは裏への飛び出しとシュートの精度。趣味は音楽鑑賞。160センチ、53キロ。