石さんが心のメンテナンスに着手した。札幌の主力組は8日、札幌・宮の沢で疲労回復メニューを行った。前日7日の柏戦は今季ワースト23本のシュートを浴びて0-2と完敗した。練習前のミーティングで石崎信弘監督(54)は、4連敗で意気消沈する選手にチームの和と、ポジティブ思考の大切さを強調。開幕ダッシュに失敗しながら総力で巻き返した昨季同様、一体感を取り戻しチーム再生を図る。

 負けてふさぎ込むのが一番、良くない。常に明るく前を見据えるのが石崎イズムだ。「ボロ負けした後はバラバラになりがち。そこで責任のなすり合いとかを始めるのはダメ。ポジティブに、みんなでどうしたらいいか意見を出し合い乗り切ろう」。鬱憤(うっぷん)は味方ではなく、試合で発散させるよう、精神面にメスを入れた。

 柏時代も昇格1年目の07年に、9月29日の名古屋戦から4連敗を喫した。だが、そこでチーム方針を変えることなく貫き、残留を果たした。「うまくいかないときにあっちいったりこっちいったりするとすべてがおかしくなる。芯となる部分は続けていかないといかん」。過去、昇格組で開幕5戦未勝利から残留した例はないが、石さん流J1生存術でデータを覆す。

 当然、戦術面の微調整も視野に入れる。古田の復帰を受け「去年のように岡本を切り札にできる」と、昨季4ゴールすべて途中出場で決めた岡本の“クローザー”転向案も明かした。4連敗も鹿島、G大阪の敗戦で17位から16位に浮上。まだ運はあるだけに、あきらめずに、勝利の糸口を探し続ける。【永野高輔】