<J1:札幌2-3川崎F>◇第7節◇21日◇札幌ド

 2点差を守りきれない-。札幌は川崎Fに敗れた。前半9分にFW前田俊介(25)の移籍後初、クラブのJ1ホーム100号となる得点で先制。同32分にMF高木純平(29)の追加点で2点リードしたが、後半に3失点し今季3度目の逆転負けを喫した。高木純のMF起用などで得点力不足は解消も、試合運びに課題を残す結果となった。6連敗で開幕7戦未勝利。J通算ホーム100敗目となった。

 何とも後味の悪い敗戦となってしまった。前半45分は札幌のペースだったが、後半から、うそのように元気を失った。「前半45分は気持ちの入った素晴らしい展開だったが。後半からフィジカル的に落ちた」と石崎監督。後半12分に途中出場の日本代表MF中村にゴールを奪われると、1点リードの状況ながら意気消沈した。同22分に同点に追いつかれると43分には、またも途中出場の山瀬に逆転弾を決められ、目の前の勝ち点3がゼロになった。

 開始15分で2失点し序盤で試合を決められた前節名古屋と比べ、確実に進歩はしていた。石崎監督はDFラインに置いていた高木純を左MFに上げ、DF日高をリーグ戦で初めて右サイドバックで起用した。1-0の前半32分には、新布陣となった日高、高木純のラインから2点目が生まれた。「メンバーを変えたことで理想的な形は出た」と指揮官。だが後半の切り札と期待した古田は、左太もも裏の違和感で出場できなかった。途中からチームの核となる中村を投入し、流れを変えてきた相手に一気に押し切られた。

 これで今季は3月17日の神戸戦、同24日の浦和戦に続き3度目の逆転負けとなった。裏返せばリードしたときの戦い方を詰めれば勝ち点も取れるということにもなる。主将の河合は「内容は1歩ずつ良くなってきた。前半飛ばしすぎて続かなかった部分もある」と言った。J2から昇格したチームが90分を通し、相手を攻め立てるのは困難だ。そこで高木純は「困ったとき全体を落ち着かせるのに、誰か起点になる人を決めてもいい。みんなで話していきたい」と言った。

 なかなか結果は出ていないがクラブとしては石崎体制を継続していく。三上強化部長は「攻撃の形が見えたのは大きい。前線の選手が疲れたときにどうするか。交代枠をうまく使えば結果は出ると感じた」と言った。あと1歩だ。残り27試合。あきらめずに前進していく。【永野高輔】