<J1:新潟1-6磐田>◇第12節◇19日◇東北電ス

 リーグNO・1の攻撃陣が大暴れした。磐田は新潟に大勝し、敵地で6年ぶりに勝ち点3を獲得した。前半だけで2点を奪うと、後半はMF小林裕紀(23)のリーグ初得点を皮切りにMF松浦拓弥(23)、MF山田大記(23)の2戦連続ゴールがさく裂した。12試合を消化してここまで10人が得点。この日の6点で得点数はリーグトップの26ゴールとなった。

 ひたすらゴールに向かい続けた。前半7分、左CKからのこぼれ球をDFチョが押し込み先制。ゴールラッシュの幕開けだ。同15分にFW前田が追加点。エースの2試合連続ゴールで完全に流れを引き寄せた。

 相手DF1人が退場し、数的有利となった状況でも容赦はしない。後半3分にDF宮崎の折り返しを小林が右足で流し込み3点目。セットプレーから失点したことで再び攻撃陣に火が付いた。同23分、松浦のクロスが直接ネットを揺らす「ラッキーゴール」でチーム4点目を奪うと、前田がこの日2点目を奪取。勝利を確信したロスタイムには山田が個人技で相手DFをかわし、技ありゴールで大勝劇を締めくくった。

 小林は「いい結果を出せてよかった。ゴール前に入れば攻撃に厚みが出る」。2年目のボランチが言った言葉は今季のチームを象徴していた。小林とボランチでコンビを組むMF山本康が5ゴールを決めるなど、ここまで12試合を終えて10選手が得点。昨季までは絶対的エース前田を軸としたFW陣で攻撃をけん引していたが、今季はどの位置からでも得点できている。山田は「リーグ戦は得失点が絡んでくる。最後まで気を緩めずにできた」と満足げだった。

 チーム始動から続けているボールを保持しながら中央を崩すスタイルが形になってきた。中央を狙い続ければ、相手は警戒して自然とサイドが空く。この日も5ゴールがサイドを起点としたクロスからの得点だった。MF松浦は「(前田)遼一君の2点目が理想の形。でも、まだ質を上げなければいけない」。森下監督も「さらに高いレベルを要求してチームのベースを上げていきたい」と言った。超攻撃的スタイルはまだまだ進化していく。【神谷亮磨】