鉄人18番がカツを入れる。札幌は4日、札幌ドームサブグラウンドで戦術練習を行い、MF芳賀博信(29)が主力組ボランチに入った。明日6日のナビスコ杯清水戦(札幌厚別)は昨年8月17日のJ2千葉戦以来、294日ぶり先発が濃厚だ。中盤でゲキを飛ばし、5月3日のリーグC大阪戦以来6戦ぶり公式戦勝利を呼び込む。

 ファイターが満を持して先発する。3月に左足底筋膜炎の手術を受けるも、5月1日に完全合流。約1カ月、全体メニューを消化し「心肺機能の方は問題ない。自分が出て勝ちを引き寄せたい」と意気込んだ。

 痛みも力に変える。3月の手術では、部分断裂していた足裏の筋膜を、痛みを減らすため完全切断。術後は弱った足裏の筋力を補うため、足指で重りの乗ったタオルを引っ張る「タオルギャザー」と呼ばれる筋トレを繰り返し、脚力を取り戻した。それでも練習後はまだ鈍痛が残る。佐川トレーナーは「気になる選手ならまだやれない。気持ちの強さが大きい」と言った。

 復帰後は時間限定出場が続いた。3日のC大阪戦は1-0の後半79分に出場し完封締め。16日のナビスコ杯大宮戦は0-1の後半23分に出場し同点劇につなげた。「やるからには90分いく。頭からの方が入りやすい」。出場2戦無敗の強運男が、スタートからチームを鼓舞する。【永野高輔】