磐田の新人GK牲川歩見(18)が9日、初の紅白戦に出場した。磐田農3年で卒業テストがあったため合流が遅れていた。紅白戦では、日本代表のDF伊野波雅彦(27)ら先輩らに、位置取りなどのコーチングが必要となる。しかし、ピッチに入って数分は声が出せなかった。「偉大な先輩たちを呼び捨てにすることに抵抗があって、びびりました。最初に伊野波さんの名を呼ぼうと思ったのですが、さすがに『イノ』とは言えなくて…」と苦笑い。しかし、森下申一GKコーチ(52)に「遠慮しなくていい」と言われると、積極的に「(山本)脩斗!」など、名前を叫びコーチング。「最初は自分を出せてなかったけど、徐々に慣れてきました」と笑顔を見せた。

 4年ぶりのユースからの昇格選手で11年のU-17W杯にも出場。194センチの長身が大きな武器だ。チームにはGK川口能活(37)や八田直樹(26)がいる。ポジション争いも激しいが牲川は「川口さんは経験も技術もすごくて、八田さんも自分にないものを持っている。課題の足元の技術を磨いて、チームで一番の長身を生かして公式戦に1試合でも多く出場できたら」と話した。【岩田千代巳】