セレッソ大阪は4月27日のJリーグ第8節で大分と戦う。舞台は今季初使用となる本拠地キンチョウスタジアム(金鳥スタ)。開幕戦から3連勝を飾るなど勝ち点を積み重ね、現在は逆転優勝圏内の7位につける。4季ぶりにJ1に昇格した大分とは、ナビスコ杯でも敵地で2-1と勝利。クラブ創設20周年の節目に悲願の初タイトルをつかむためにも大分を下し、1つでも上の順位でゴールデンウイーク突入を目指す。キックオフは午後2時だ。

 今季のC大阪は、桜の季節が終わっても開幕からの勢いは変わらない。第7節を終えて3勝2分け2敗で7位。首位横浜とは勝ち点7差だ。27日に対戦する大分は未勝利が続き、2分け5敗で17位に低迷している。悲願の初優勝を狙うC大阪は、ホームで確実に勝ち点3を奪いにいく。

 新たにエースナンバー8を背負い、開幕から順調に得点を重ねてきたMF柿谷が攻撃陣を引っ張り、DF陣がリーグ屈指の失点率で守りを固める。ルーキーFW南野をはじめ、MF楠神、DF新井場、椋原ら新戦力が加わり、選手層も厚くなった。

 レビークルピ監督はここまで、チームの連係を高めるために、ナビスコ杯でもほぼ同じメンバーを固定して起用してきた。勝ちを逃した試合もあるが「試合を重ねるごとに成長しているという手応えはある」と口にする。一方で「チャンスでしっかり決め切っていれば、もっと楽に勝てる試合もあった」と、攻撃陣への要求は例年以上に高い。

 それに呼応するかのように、MF柿谷は「優勝するためにはホームでは毎試合勝たなければいけない。勝ちを重ねて首位に立ち、そのまま逃げ切りたい」と優勝へのイメージを膨らませる。

 昨年はリーグワースト3位タイの53失点を喫した。今年は33歳のベテランDF新井場が鹿島から加わったことで、守備が引き締まった。DF茂庭は「DFにとって『後ろの声は神の声』と言うが、今はイバさん(新井場)が最初に声を掛けてくれる。その影響で声を出し合うことが増え、チームとしてのミスも少なくなった」と、かつて日本代表候補にもなった新井場加入の効果を認める。

 大分とはJ1では7年ぶりの対戦。田坂監督をはじめFW森島、小松、DF児玉、阪田、GK丹野と、かつてC大阪でプレーした選手が多い。より負けられない一戦だ。相手は攻守の切り替えが速く、中盤の両サイドを生かしたワイドな攻撃や手堅くパスをつなぐサッカーが持ち味。運動量が落ちた後半に失点し、逆転を許す試合も多い。C大阪はサイドを制し、90分間攻撃の手を緩めなければ、白星をつかむチャンスは十分ある。

 主将DF藤本は「優勝を狙うためには、まずは(5月4日に)上位の浦和と対戦するまでの間、しっかり勝って、食らいついていかないといけない」と話し「去年は(J2に降格した)札幌にシーズン初勝利を与えてしまったけど、上位にいくためには絶対に取りこぼしをしてはいけない」と気を引き締める。

 金鳥スタは10年8月のこけら落としから翌年にかけ、リーグ戦11戦連続無敗の不敗神話を打ち立てた会場。改装された本拠地で白星をつかみ、新たな神話をつくる。【福岡吉央】