<ナビスコ杯:磐田1-1甲府>◇1次リーグ◇22日◇ヤマハ

 磐田は甲府と引き分けた。決勝トーナメント(T)への自力進出はないが、横浜、川崎Fの結果次第では望みが残されていた。得失点差がカギを握る可能性もあり、序盤から磐田は積極的に攻撃に出た。前半6分、右サイドを駆け上がったDF駒野友一(31)が相手をかわしクロスを上げた。緩やかな弧を描いたボールはそのままゴールに吸い込まれ、待望の先制点を手にした。

 リーグでは、甲府に敗れた翌日の4日に森下仁志前監督(40)が解任された。因縁の相手との対戦にリベンジの思いも強かった。18日の川崎F戦でクリアミスから失点を招いて男泣きしたDF藤田義明(30)は、丸刈りでこの日の試合に臨み、気合を前面に出した。甲府は既に1次リーグ敗退が決まっており若手中心のメンバー。磐田は先制後も再三の好機をつくるも、追加点が奪えない。嫌な流れが漂う中、前半30分にCKから同点に追いつかれ、1-1で折り返した。

 後半開始前、暫定で指揮を執る長沢徹監督(44)は「サイドからの攻撃をもっと多く。目の前のゲームを持って帰ろう」と選手を鼓舞。スピードのあるFW山崎亮平(24)、阿部吉朗(32)、松浦拓弥(24)を投入して勝利への執念を見せた。守備陣も集中し、38分、44分にはGK八田直樹(26)が相手のミドルシュートを続けて好セーブで防いだ。川崎Fが湘南と引き分けたため勝てば決勝T進出が決まったが、甲府の堅い守りを崩せず引き分けに終わった。磐田は1次リーグ敗退が決定。長沢監督に公式戦初勝利をプレゼントできなかった。【岩田千代巳】