<J1:仙台1-2清水>◇第33節◇30日◇ユアスタ

 清水はアウェーで仙台との接戦を制した。前半15分、FW伊藤翔(25)のゴールで先制すると、同34分にはFWラドンチッチ(30)が貴重な追加点。後半は仙台の猛攻を受けたが、何とか1失点で耐え抜いた。0-1で敗れた天皇杯4回戦のリベンジを果たすとともに、今季4度目の連勝。順位は9位から変わらなかったが、7日にホーム・アイスタで迎える最終節の柏戦に向けて弾みをつけた。

 誰よりも悔しさを胸に抱えていたストライカー2人が、輝きを放った。アフシン・ゴトビ監督は、試合後の会見で「翔とラドンが、今日は決めるべきところで決めてくれた。誇りに思う」。今季無冠が確定した天皇杯4回戦。再三の決定機を外していたFW伊藤とFWラドンチッチが、この日は勝利の立役者となった。

 まずは伊藤。前半15分、相手陣内でボールを奪ったラドンチッチからパスを受けると、DF1人をかわして冷静に右足で流し込んだ。この日、ピッチの気温は6・9度。試合前、チームメートよりも15分ほど早くウオーミングアップを開始した“寒さ対策”が功を奏し、序盤の先制点を呼んだ。伊藤は「同じ相手に連敗するのは最大の屈辱。結果を残せて良かった」。第29節ホーム鳥栖戦以来4試合ぶりのゴールに笑顔を見せた。

 貴重な先制点で、25節名古屋戦以来約2カ月間ゴールから遠ざかっていた助っ人も目を覚ます。同34分には、FW高木俊幸(22)のスルーパスに抜け出したラドンチッチが左足を一閃(いっせん)。立ちはだかるDFをものともせず、貴重な追加点をネットに突き刺した。ラドンチッチも「最高のリベンジだった」と、ほくそえんだ。

 残る試合は、今季最終節のホーム柏戦だけとなった。伊藤は「勝って良い形で締めくくるだけ。サポーターに勝利を届けたい。ゴールも取れるだけ取りたい」と誓った。来季につながる3連勝で今シーズンを締めくくる。【前田和哉】