今度は地元で勝つ。仙台MF佐々木勇人(31)が、今日16日のナビスコ杯ホーム鹿島戦で左MFとして今季初先発する可能性が高まった。チームは敵地に乗り込んだ12日のリーグ横浜戦で今季初勝利。宮城出身のスピードスターが昨年10月19日から遠ざかっているホームでの勝ち点3をもたらす。

 心も体も、準備はできていた。15日の紅白戦で主力組に入った佐々木が、左サイドから果敢にドリブル突破を仕掛ける。セットプレー練習でも167センチの体を投げ出してゴール前に飛び込んだ。アーノルド体制では公式戦出場わずか1試合にとどまっていただけに「ようやくチャンスが来た。この前の勝ちをムダにしないように、ホームで絶対に勝ちたい」。持ち前のスピードで、チームの勢いをさらに加速させるつもりだ。

 佐々木といえば右サイドの印象が強いが、左でも結果を残してきた。昨年8月に途中出場で左MFに入り、利き足とは逆の左足でのクロスでヘベルチの決勝点をアシストしたのが鹿島戦だった。相手には当時のイメージが残っているはずで「左だと視野が広がって、中央に持ち出してシュートも狙える。右足を警戒されていたら縦にも勝負する」と再現を狙う。

 後輩へのリベンジの一戦でもある。3月8日のリーグ戦では、敵地で同じ塩釜FCユース出身の遠藤に2ゴールを許して敗れた。1月にも地元で顔を合わせたという6歳下のMFに対して「もう負けられない」。同サイドでマッチアップする可能性も高まり、闘志をみなぎらせた。

 G大阪でもベンチを温める日々が続いた時期もあったが、出場機会を得れば必ずチームに貢献してきた。今年もキャンプから決して調子が悪かったわけではない。「ナベさん(渡辺監督)もコンディションがいいのはわかってくれていた。もう30(歳)過ぎてるんで、簡単には腐らないですよ」。佐々木のプロ10年目は、ここから本当のスタートを切る。【鹿野雄太】