“キック岡”が苦手群馬をこじ開ける。J2札幌MF菊岡拓朗(28)が、明日20日のホーム群馬戦(札幌ドーム)で6戦ぶりの先発が濃厚となった。18日、札幌宮の沢で行われた紅白戦で主力組の左MFに入った。群馬は昨季2連敗と相性は悪いが、菊岡は昨季栃木で2連勝。セットプレーのキッカーとしても精度あるボールを配球できる新戦力の攻撃センスで、難敵を討つ。

 相手が嫌がる選手を先発に据える。菊岡は群馬戦に相性が良く、昨年はホームではフル出場し3-0、アウェーは途中出場し、カウンターから決勝点を挙げた。「札幌は苦手らしいが、自分にはいい印象。3バックが特長。サイドでのマークの受け渡しに注意して臨みたい」。群馬の主力は小柳、加藤、永田、青木ら昨季とほぼ変わらず、菊岡への負のイメージを、攻略の糸口にする。

 緩急自在で、精度の高いキックも武器だ。12年5月30日の対戦では左CKから直接ゴールを決めた。財前監督は7戦7発とゴール数の少ない攻撃陣改良のキーマンと考えており「最後の崩しを期待」と言った。途中出場した前節大分戦は後半ロスタイムに右クロスをGK李に合わせ好機をつくった。「先発の方がリズムがつくりやすい」。今度は、開始から攻撃陣に活を入れる。【永野高輔】

 ◆菊岡と群馬戦

 08年水戸時代から13試合に出場し6勝3分け4敗。栃木に移籍した12年以降は4戦3勝1分け。12年は5月13日のJ2第14節(正田スタ)で先発し、1-0の前半29分に左CKを直接決め、これが決勝点となり2-1勝利。昨年は3月31日のJ2第3節(栃木グ)にフル出場し3-0で勝利、9月22日の同第34節(正田スタ)では後半10分から途中出場し、0-0の同37分に決勝点を決めた。