仙台FW柳沢敦(37)が、今日22日のJ2熊本との練習試合で2カ月半ぶりに実戦復帰する。4月6日の浦和戦で左腓骨(ひこつ)を亀裂骨折。全治約8週間と診断され、12日から全体練習に合流していた。宮崎・延岡キャンプ4日目の21日も負傷の影響を感じさせない鋭い動きでフルメニューをこなしたベテランは「足はもう大丈夫。100%で動ける」と万全だ。

 リーグ再開後の躍進を誓うチームにとって、柳沢の存在は欠かせない。今キャンプで取り組んでいる攻撃のアイデアを、誰よりも持っているからだ。練習でもDFの背後を突く飛び出しや味方のスペースを作る動きを繰り返し、手本となるプレーを見せ続けている。渡辺監督就任後初の実戦となるが「久しぶりだけど、頑張るだけです」と静かに闘志を燃やした。

 戦うイメージもできている。自身も02、06年と2度出場したW杯が深夜から早朝にかけて開催されているが「半分くらいは見てる。でも寝不足じゃないですよ」と研究を欠かさない。全体練習後には1人でランニングやストレッチを行うなど、入念に準備を整えた。

 右足裏痛で20日の練習を途中で切り上げたウイルソンは復帰したが万全ではなく、フィールドプレーヤーは練習生含めて20人。熊本戦後に予定していた大学生との試合は急きょ取りやめた。故障者が多い中での柳沢の復帰に、渡辺監督は「一番経験がある選手だからね。そりゃ心強いよ」。指揮官も絶大な信頼を寄せる背番号13が、あらためて存在感を示す。【鹿野雄太】