<J1:鳥栖0-2東京>◇第20節◇16日◇ベアスタ

 「解任ショック」に揺れる鳥栖が今季2度目の2連敗を喫し、首位から陥落した。8日の尹晶煥監督(41)の電撃解任を受けた吉田恵新監督(41)指揮の2戦目、ホーム東京戦は0-2で敗れ3位に後退。またしても「吉田鳥栖」の初勝利はお預けになった。

 前半5分に先制されると、J1屈指のハードワークを武器にした攻守のバランスが崩壊。勝敗のカギとしていた東京の3ボランチをサイドチェンジなど縦横からの揺さぶりで崩せず波に乗れないまま後半7分にも失点した。吉田新監督は「負けて非常に悔しい。サポーターに申し訳ない」と悔しがった一方、「広島戦から修正できた攻撃はいいとこが出た。敗戦もポジティブにとらえている」。シュート2本に終わった前節広島戦からの修正が見られた攻撃面を評価した。

 鳥栖は尹監督の解任後、吉田新監督で初めて臨んだ前節広島戦でショックを引きずるかのように0-1で完封負け。しかも台風11号の影響で広島戦が9日から11日に延期になり、中6日から短くなった中4日調整でコンディションづくりに不安を残していた。

 エースFW豊田が「監督が代わったからとメディアが書くのが一番ショック」と話した監督解任劇。クラブは監督について「優勝をより確実にするための判断」とした選択だったが、皮肉にも2連敗。リーグ優勝、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場を今季の目標に掲げるが、暗雲が垂れ込めた。【菊川光一】