J2山形は明日23日、リーグ最終節のホーム東京V戦で初のプレーオフ(PO)進出を狙う。現在6位で勝てば文句なし。また、勝ち点1差の7位大分が引き分け以下ならばPO進出はほぼ確実だ。残り1枚の昇格切符を争うPOは、3~6位の一発トーナメント。3位浮上の可能性もあるチームは、現役最年長GK山岸範宏(36)を中心に、4季ぶりのJ1復帰に向かって突き進む。

 山形が今季初の4連勝で最終ホームを飾る。当初、目標にしていた優勝と自動昇格は逃したが、再昇格に向けたPO進出は死守するつもりだ。チームは21日、相手セットプレーの対応などを確認し合った。

 百戦錬磨のベテランGK山岸が精神的支柱になってチームを引っ張る。6月にJ1浦和から期限付き移籍。不動の守護神として第24節からゲームキャプテンも務めている。「浦和でタイトルは取ったけれど、逃している回数の方が多い。ほかのチームを気にしてもしょうがない。相手のことより、勝つために自分たちが最大限準備することが大事」と一戦必勝を誓った。

 前節まで23戦フル出場中だ。チーム成績は山岸加入前の6勝7分け5敗に対し、加入後は12勝3分け8敗。無失点試合は加入前の4勝3分けに対して6勝1分けと、攻撃活性化にも一役買っている。持ち前の低音ボイスで攻守のコーチングを怠らない。味方攻撃中は「リスクマネジメントを考えている」という。円陣では事あるごとに「(1)ハードワーク(2)攻守の切り替え(3)セカンドボールの対応(4)球際の激しさ」の4点を確認している。

 来季の動向は未定だが、「一般論で言えば、自分の力が求められるところでプレーできるのは選手にとっていいこと」とやりがいを感じている。「最終戦とは思っていない。当然、完封は狙っています」。J1復帰に向け、トップリーグ137試合出場の山岸が水先案内を務める。【佐々木雄高】

 ◆J1昇格PO出場権争い

 前節までに3位磐田、4位千葉、6位山形、7位大分に絞られた。J1ライセンスのない5位北九州が出場圏に残った場合は3チーム、外れた場合は4チームがPOに進出する。山形は敗れても、大分が引き分け以下なら得失点差で大量にリードしているため6位はほぼ確実。勝って、上位3チームが引き分け以下ならば、最高3位の可能性がある。PO準決勝では順位上位にホーム開催権が与えられるため、1つでも順位を上げたいところだ。

 ◆プレーオフ進出確率は80%?

 J2では過去10年間、最終節直前に6位だったチームが順位を下げたケースは10年熊本と11年北九州の2回だけ。そのほかはすべて6位以上をキープしている。山形の過去のリーグ最終節成績は、J1、J2通算で5勝6分け4敗と勝ち越しており、山形に有利なデータが並ぶ。ただ、東京Vには過去にホームで勝ったことがなく、「7度目の正直」に挑む。