山形GK山岸範宏(36)が、背番号「1」で新たな伝説を刻む。18日は天童市内で行われたキックオフイベントに出席。入場時に「背番号1、GK山岸範宏!」とアナウンスされると、集まった約2400人のサポーターから歓声が起こった。昨季はシーズン途中からの期限付き移籍で「31」を付けたが、浦和時代の03年から背負い続けた番号に変更。「やっぱり愛着はある。山形の1番は山岸だと、ピッチで証明したい」と決意を新たにした。

 昇格プレーオフ準決勝磐田戦で決めたヘディング弾の衝撃は、海を越えていた。イベントの特別ゲストで登場した、なでしこジャパン佐々木監督が「(女優の)桃井かおりさんがアメリカで試合の映像を見て、とても印象に残ったと言っていた」というエピソードを披露した。現地で観戦していたというゲストMCのタレント平畠啓史からは「生まれ変わったらFWをやりたい?」と問われたが、守護神は「去年でおなかいっぱいです」と笑わせた。

 今季完全移籍で加入したベテランGKは、26日から山形での初キャンプに臨む。「去年のことは過去のこと。きついキャンプはウエルカム。努力を積み重ねたい」。山岸はプロ15年目も熱く、厳しく、勝利だけを求めて戦う。【鹿野雄太】