山形MF宮阪政樹(25)が、初のJ1でFK王に名乗りを上げる。前日19日はメディカルチェックで練習に参加しなかったため、20日が4年目の始動となった。室内で約1時間半、体を動かした不動のボランチは「去年はキャンプ3日目に左足首を痛めて離脱した。ケガをしない体を作りたい」と決意を新たにした。

 昨季はチームでただ1人、J2全42試合に出場。MFディエゴに次ぐ8ゴールで昇格の原動力となった。うち直接FKで5得点。プロ3年間の18点中12点をたたき出している“必殺技”だ。直接FKゴール数のJ歴代1位はG大阪MF遠藤と横浜MF中村の17点。日本を代表する名手たちの数字も射程圏内に入ったが「J1で決めなければ意味がない。ゼロからのスタートだと思ってやる」と静かに闘志を燃やしている。

 J1には強いあこがれがあった。昨秋、山形より先に昇格を決めた松本から獲得オファーを受けたが、千葉との昇格プレーオフで決勝アシスト。「悩みに悩んだけど、プロ生活を始めた山形のユニホームを着てJ1で戦いたい」と残留を決意した。11日には第2子となる長女が誕生。「家族も増えたし、新たなステージでも全試合出場してFKを決めたい」という宮阪が、全国に黄金の右足を見せつける。【鹿野雄太】