仙台の「地獄の鹿児島キャンプ」が26日、スタート。雨天の中で約2時間、フィジカルトレーニングやパス回し中心の練習を行った。

 1日目は降りしきる雨の中での練習だったが、選手たちは長めのランニングからフィジカルトレーニングを含めたパス回しまで、数種類のメニューを約2時間こなした。今季初めてキャンプから指揮を執る渡辺晋監督(41)は「今日はまだまだ。明日から、本当の地獄が始まる」と“軽め”を強調。2日目から本腰を入れて鍛えていくことを宣言した。

 昨季の反省を生かす。初日から渡辺監督はじめスタッフがこだわったのは「パスの精度」だ。ハーフコートに分かれ、繰り返しゴール前までパスをつなぐ練習の中では、何度も「精度の高いパスを。ボールを良い位置に動かして」との声が飛んだ。渡辺監督は「昨年、うちはパスが良くなかったから5%でも精度を上げたい。この練習は毎日やる」と説明。じっくりと、質の高いパスを体に染み込ませていく。MF奧埜は「これがしっかりやれるようになれば試合での良いプレーにつながる」と、いきなり息の上がる練習にも食らいついた。

 正守護神の座を狙う新加入GK六反は、慣れ親しんだ地でのキャンプスタート。鹿児島で14歳まで暮らし、今回のキャンプ会場も過去に自主トレで使っていた。「慣れているし、ここでできるのはうれしい」と話し「卓球台もあるので、それでみんなと交流を深めていきたい」。今日からは2部練習もスタートするが「開幕スタメンを狙うためにも、キャンプでけがをしないように頑張りたい」と、“地獄”からはい上がる決意を示した。【成田光季】