J2札幌FWナザリト(24)が27日、沖縄・金武町陸上競技場で行われた9対9の戦術練習で、1トップに入ってプレーした。バルバリッチ監督(52)はキャンプ2日目でいきなり戦術練習を実施も、新ストライカーには得意のスペイン語を使って通訳なしで指示。スムーズな意思伝達で、大砲の2年連続爆発につなげていく。

 戦術練習中、指揮官はプレーを止め、ナザリトに熱くゲキを飛ばした。「1発でDF裏に抜けるだけでなく、中盤で詰まったらボールを引き出す動きも意識してくれ。君はフィジカルは強いのだから、ボールがおさまれば確実に攻撃の質が上がる」。オフザボールのポジショニングをスペイン語で説くと、ナザリトも「うまくタイミングを合わせたい」と理解を示した。

 午前中の乳酸値測定では、強靱(きょうじん)なスプリント能力を示す、発達した太ももを披露。盛り上がった太もも裏を見た鈴木通訳を「馬のようだ」と驚かせた。コロンビアで徹底的に鍛えあげたバネに、指揮官の豊富な戦術知識を融合させ、さらなる進化を目指す。【永野高輔】