コロンビアがポーランドを3-0で下した。日本は1次リーグ最終戦で敗退が決まったポーランドと対戦する。

 勝つか、引き分けるかで、もう1試合の結果に関係なく決勝トーナメント進出。「相手のモチベーションが下がる」と日本有利の声も聞こえる。ポーランドにとって、可能性がない「消化試合」。エースのレバンドフスキだけでなく、大幅にメンバーを落とすかもしれない。日本が勝ったコロンビアに負けたポーランド。ただ「楽勝だ」と考えると、痛い目にあう。

 ポーランドは、かつての強豪国だ。72年のミュンヘン五輪金メダル、W杯でも決勝進出こそないものの、74、82年2度準決勝まで進んでいる。高さを生かした守備と中盤のテクニック、前線のスピードは東欧勢の中でも抜群だった。

 「最後まで、きちんと戦う」のがポーランドだ。準決勝は2回とも敗れたが、ともに3位決定戦では勝利している。敗戦国同士の試合は「消化試合」で廃止論も出るほどだが、74年はFWラトのゴールでブラジルを下し、82年はシャルマッハらの得点でフランスに快勝。最後まで「まじめに」勝利を目指した。

 敗退が決まった後の試合も強い。02年日韓大会では1次リーグ2連敗した後、分ければ突破が決まる米国に3-1で快勝。06年ドイツ大会も2連敗で敗退決定後、コスタリカ戦に2-1で逆転勝ちした。「負けてから真の強さを見せる」のがポーランドだ。

 「最後には何とかする」「土壇場に強い」「帳尻を合わせる」という国民性。ポーランド広報文化センターによれば、いずれも「ザワトフィチ」というポーランド語で表せるという。道路工事が遅れていても、最後は工期に間に合わせるような。途中で負けても、最後は気分よく勝って終わるような…。エースのレバンドフスキらの調子は上がらないが、最後に爆発する可能性は十分にある。

 とはいえ、日本は勝てると思う。GK川島に不安はあるが、守備は大きく崩されていない。柴崎のゲームコントロールも見事で、前線では大迫が効いている。何より西野監督の采配がさえている。「格下」としての戦うのではなく、がっぷり組み合ってねじ伏せる強さが、今大会の日本にはある。1次リーグ突破は濃厚だが、どう突破するかが重要。決勝トーナメント1回戦の相手はベルギーかイングランドか、初のベスト8に行くにはポーランド戦で勢いをつけるしかない。