FW本田圭佑(31=パチューカ)は先発出場も、得点は奪えずに後半途中で退いた。

 2シャドーの右に入り、積極的に得点を狙った。前半32分には正面約35メートルの位置で得たFKを蹴り、直接狙った。シュートは右下隅をとらえるも、GKの好セーブにあった。続く左CKの場面ではこぼれ球に反応して至近距離から左足でシュートを放ったが、バウンドさせたボールはGKの足に当たって枠をとらえられなかった。

 「あれは入ったと思いました。なので(GKを)ほめたい。しかも雨で。あれは当たっても入る。あのGKにインタビューしてほしいと思う。いちばんびっくりしているんじゃないですか」と振り返った。

 試合全体を「結果は想定外、内容は想定内」とまとめた。勝利を目指して臨んでのこの結果は悔しがった一方、「今回はゼロからのスタートだと思っている」というチームの内容に課題が出ることは当然だという見方だった。「最後のところの(イメージの)共有が足りない。これは想定内。いきなりあうんの呼吸が生まれるほどサッカーは甘くない」と、攻撃面での連係不足を認めた。

 続けて「ファイナルサード(ゴール付近)まではいけている。単調なクロスになっていたり、読まれているようなプレーばかりというのが反省点。でもそれはそうだろうなという想定内。そこまでの課程では何個か手応えをつかんでいる」と話し、本大会までの約3週間で急ピッチで攻撃を成熟させたい考えを示した。

 国内最後の国際Aマッチは無念の敗戦に終わったが、本田の表情に悲観はなかった。低い下馬評を覆して決勝トーナメントに進んだ10年南アフリカ大会、大会前に好調を維持しながら本大会で惨敗を喫した14年ブラジル大会の両方を経験している。「ここで結果を出さないといけないという決まりはない。最後の3試合がすべて。そういう覚悟でいる」と、まっすぐな視線で語った。

 31日には最終23人のメンバー発表を控える。本田は「当然自分は入ると思っているし、そのための準備をしてきた」と、落ち着いた声色で話した。