<ブンデスリーガ:フランクフルト1-1ボーフム>◇8日◇フランクフルト

 【フランクフルト(ドイツ)8日=西村友通信員】ボーフムMF小野伸二(28)が、W杯予選を間近に控える岡田ジャパンに健在ぶりを示した。アウェーのフランクフルト戦で先発出場し、MF稲本潤一(28)と直接対決。得点には絡まなかったが、トップ下の位置で攻撃の軸となり、1―1で引き分けた。直接視察した日本代表の小倉コーチも小野の状態を高く評価。26日の同予選バーレーン戦での代表復帰へ、上々のアピールとなった。

 代表復帰を狙う小野にとって、格好の舞台だった。「試合に出て、代表(選出)がついてくればいい」と楽しみにしていた、欧州再挑戦での日本人対決。状況に応じてトップ下の位置からボランチまで下がって味方のパスを引き出すと、左右の両サイドへ駆け込んでシュート3本を放った。後半42分にベンチへ下がるまで、運動量もキープ。確かな手応えを得た。

 試合後は、自ら稲本へ歩み寄ってユニホームを交換。小野は「自由にプレーさせてもらっているし、もっと自分のリズムでやっていければ。楽しかった」と笑みを浮かべた。移籍前に心配されていた古傷の左足首痛も克服し、2月22日ハノーバー戦以降、3試合連続で先発。87分間で8度、小野とプレーで直接対峙(たいじ)した稲本も「やはり伸二はいい選手だと再確認した」とたたえた。

 06年W杯ドイツ大会以来の日本代表復帰へ、可能性も広がった。直接視察した小倉コーチは「どれぐらいのプレーをしているのか、コンディションを維持できているのかを見たかった。それについては、満足してます。2人ともレギュラーで立派にプレーしていると(岡田代表監督に)報告できる」と収穫を口にした。26日のW杯アジア3次予選バーレーン戦は、欧州に近いアウェー開催。好調をキープすれば、遠征メンバー入りも見えてくる。

 「もっともっとボールコントロールして、いい攻撃を展開していきたいが、まだそれができていない」。ドイツの地で再び輝きを取り戻した司令塔が、どん欲に夢の続きを追う。