<スコットランドリーグ:セルティック3-1セントミレン>◇22日◇英ペイズリー

 【ペイズリー(英国)=アンソニー・マッカスカー通信員】セルティックMF中村俊輔(30)が、6年ぶりのリーグ戦3試合連続得点を決めた。アウェーのセントミレン戦にフル出場。後半21分にスルーパスに抜け出し、左足で流し込んだ。今月初旬に左ひざ内側を負傷。痛みを抱えながら、19日のW杯予選カタール戦(ドーハ)を含む2週間5連戦で結果を出し続けた。25日には欧州チャンピオンズリーグ(CL)のオールボー戦も控える。逆転での1次リーグ突破へ負けられない一戦へ、チームに弾みもつけた。

 得点感覚が目覚めた。1-0で迎えた後半21分。右サイドの中村は、味方にボールを預けると、ゴール前のスペースへ加速した。FWサマラスからの浮かせたスルーパスを、左足甲で巧みにトラップ。追いすがる相手DFの背中側にボールを落としてフリーになり、楽々と左足シュートを流し込んだ。

 中村は「ボールを預けた時に、パスを受けるイメージができていた。先の先まで考えてプレーできた」と満足げに振り返った。逆境に身を置いたことで、かえって集中力が研ぎ澄まされた。今月6日に、練習で左ひざ内側を負傷。普段は「感覚が変わる」と嫌がるテーピングをやむなく施すほど、痛みはつのっていた。

 それでも2週間で5試合という過酷な連戦に出場し続けるのは、今季のヤマ場と踏んでいるからだ。19日にはW杯予選カタール戦があった。大事な一戦へ調子を上げるため、負傷からわずか6日後のキルマーノック戦に強行出場した。そして25日には欧州CLのオールボー戦もある。1次リーグ突破には、残り2試合を連勝するしかない。日本代表戦への長距離移動が終わっても気は抜けなかった。

 「疲労はある」と話しながらも、レジーナ時代の02年10月以来、プロ入り2度目の3試合連続得点。後半35分にはスルーパスに飛び出し、FWシェリダンのチーム3点目の起点にもなった。満身創痍(そうい)の中村が最高のパフォーマンスで、欧州CL1次リーグ逆転突破へ、チームを鼓舞し続ける。