<セリエA:カターニャ2-0レジーナ>◇22日◇カターニャ

 【カターニャ(イタリア)=猪野真美子通信員】カターニャFW森本貴幸(20)が、飛躍のシーズンへ足固めした。ホームにレジーナを迎えた「メッシーナ海峡ダービー」でリーグ戦3試合連続の先発出場。前半35分、右サイドでボールを保持して先制点の「起点」となると、持ち味のスピード突破から得点機を導いた。2-0での09年初白星に貢献した。6月にW杯アジア最終予選を控える日本代表岡田監督も注目。欧州での主力定着でA代表初招集へ前進した。

 森本は84分間、エースの存在感を漂わせてピッチを駆け回った。少ないチャンスを狙い澄まして、欧州で評価上昇中の脚力を解き放つ。前半21分、屈強なDF3人に取り囲まれながら約40メートルをドリブル突破すると、同35分には右サイドで相手の激しいプレスに耐えながらボールをキープ。駆け寄った味方に預け、先制ゴールを生み出す右クロスとなった。森本の足元へパスが通るたびに、海峡ダービーに燃える地元サポーターから歓声がわき起こった。

 相次ぐ故障に見舞われた昨季とは異なり、最近はリーグ戦9試合連続で出場。8日には強豪ユベントスから中田英寿氏以来、日本人選手2人目のゴールを奪った。この日は、前半26分に右サイドからのパスを右足で蹴り込むと、同47分には左サイドからのロングパスをファーサイドでとらえ、シュート。いずれもGKにキャッチされたが、積極的なプレーでチームの士気を高めた。

 日本代表の岡田監督も「代表に必要だなと感じたときには呼ぶ可能性はある」と初招集に備えてチェックしている。欧州の地でレギュラーの座をより確かなものにし、結果を出し続ければ、A代表入りも近づく。6月のW杯予選で秘密兵器となれるか。森本が可能性を高めた一戦だった。

 [2009年2月23日8時16分

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