スペイン1部マジョルカは15日(日本時間16日)、C大阪の元日本代表MF家長昭博(24)の獲得を正式発表した。2011年1月1日から15年6月までの4年半という長期契約となり、次回マジョルカから移籍の際に生じる移籍金(違約金)は1800万ユーロ(約20億円)で、日本人としては破格の価値がつけられた。来年1月のアジア杯日本代表予備登録に入ったレフティーが、実力と将来性も買われた契約となった。

 欧州では無名の日本人につけられた価値は、破格の約20億円だった。家長はこの日、マジョルカと現地で正式契約を結んだ。当初はクラブハウスで行う予定が現地メディアの注目が高かったため急きょ、大型ホテルに変更。契約は4年半の長期で、次回移籍の際は約20億円という破格の移籍金が発生する内容となった。

 マジョルカは昨季に事実上の経営破綻をし、現在は裁判所が経営を管理。そのためクラブ側も緊縮財政を強いられている。家長は将来性も高く、実際に契約期間中に引き抜かれる可能性もあり、ビジネスの見地からも移籍金が高く設定されたもようだ。家長の商品価値が認められた証拠だ。

 マジョルカが日本代表での実績も少ない家長に対し、ビデオや実際の試合を何度もチェック。左利きで高度なドリブルを繰り出す能力を評価したという。関係者によると、年俸もC大阪時代の推定2800万円より大幅増の7000万円。チーム内でも3、4番目にあたる好待遇という。

 家長は地元の取材に対して「ボクの夢はマジョルカとサインを交わすことではなく、ここで勝利すること」とコメントした。マジョルカは既に欧州連合(EU)域外の選手が3人在籍しているため、家長は3人枠規定でプレーできない。地元アス紙によると、そのためにウルグアイ代表MFゴンザロ・カストロを放出する準備を進めている。仮に放出に失敗した場合は今季終了まで、家長をスペイン2部の上位クラブへと期限付きで移籍させ、来季からの入団となる。

 今日17日にも労働許可証取得のために帰国。年内に再びスペインへ渡り、28日に入団会見を予定、デビューに向けた本格準備に入る。

 [2010年12月17日8時50分

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