<ブンデスリーガ:ドルトムント3-1ホッフェンハイム>◇28日◇ドルトムント

 ドルトムントの日本代表MF香川真司(22)が、今季初の2ゴールを挙げた。冬期中断期間明けの本拠地初戦となったホッフェンハイム戦で、前半16分に得意のドリブルから2012年初ゴールとなる先制弾。後半10分にはドイツ移籍後、節目の公式戦通算20得点目を決めた。大活躍で勝利に貢献。W杯アジア最終予選が6月から始まる年に、日本期待の星が、最高の再スタートを切った。

 極寒のスタジアムは霧がかかり、幻想的な雰囲気に包まれた。冬期中断を経て12年の本拠地リーグ再開初戦で、香川がいきなりの大活躍を見せた。前半16分。相手GKのクリアミスからのボールを拾い、自慢のドリブルで中央突破。右に流れながらDFをかわし右足でGKの脇の下を狙う先制弾だ。後半10分には前線のMFグロスクロイツにパスを出し、自ら追いかけて受けたパスを体勢を崩しながら右足で押し込んだ。

 記念すべき試合になった。12年の初ゴールとなった先制弾に加え、この日の2点目はドイツ移籍2シーズン目で公式戦通算20得点目。54戦目での到達は、欧州リーグ日本人最速だ。前半31分にも右サイドでグロスクロイツの得点の起点にもなった。8万500人の大観衆で埋まった本拠地シグナル・イドゥナパークは、興奮したサポーターが跳びはね「カガワ、カガワ」の大合唱。熱狂はいつまでも続いた。

 大事な試合だった。昨季に続くリーグ制覇を狙うチームは、前節まで首位Bミュンヘンに勝ち点37で並び、得失点差で2位につけていた。首位浮上の可能性もある大一番。試合開始3時間以上前から、市内には大勢のサポーターが集まってビールを片手に応援歌を合唱。いつも以上の興奮と、熱気に満ちていた。

 「前半戦以上のゴールは決めたい。それは最低条件ですね。11年は選手としてうまく(活躍)できなかったところもあるんで。12年はステップアップという意味で、いろんな可能性がある年になる。だからやっぱり、ゴールにはこだわりたい」

 昨年12月24日のクリスマスイブに、中高時代を過ごした第2の故郷・仙台でイベントを開いた際、香川は心からそう言った。ちょうど1年前のアジア杯で右足小指を骨折し、半年間を棒に振った。今季も前半戦は不振にあえいで先発から外れるなど、4得点止まり。さらにステップアップする意味でも「壁」を乗り越えたかった。その決意が、この日の大活躍につながった。

 今年6月からは14年W杯ブラジル大会への最終関門となるアジア最終予選が控える。日本の背番号「10」を背負って戦うW杯への道。その道のりの途中には、もう1つの夢もある。

 「ビッグクラブに行くことを目指したい。そのためには1日、1日が大切。それは欧州に来て、すごくよく分かるようになった」

 ドイツ移籍1年目の昨季は、半年間で8ゴールを挙げ前半戦MVPに立った。その後に直面した故障と、不振-。日本期待の星にとって、輝きを取り戻す2012年になる。【益子浩一】