日本代表のMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)が16日、チームの合宿地スペインへ向け成田空港から出国した。日本に滞在した約1カ月、沖縄での自主トレーニングではケニア人マラソンランナーと異例の合同合宿に没頭し、子供たちへのサッカー教室にも積極的に参加した。2014年W杯ブラジル大会に備え、本田の自分自身を高めようとする探求心は、ますます強まるばかり。勝負モードに切り替わった表情で渡欧した。

 白と黒の2色で服装をまとめた本田は、搭乗口へ向かいながら口を開いた。「(自主トレの)収穫があったかどうかは、これから分かること」。沖縄・石垣島で行った自主トレでは、走りのスペシャリストであるケニア人ランナー2人とともに走りを改善した。「楽しかった。自分の選択肢にはないような準備やケアの仕方、トレーニング中の行動もあった」とすべてを吸収するつもりだ。

 長距離ランナーの走りをサッカーに応用できるかどうかを聞かれると「サッカーに応用がきかないことは、人生にはない。ケアの仕方とか想像を絶している。42キロを(1キロ)3分で走り続けるというのは尋常じゃない。普通なら1キロ持つかどうか」と大きな刺激を受けた。14日には、10日間の自主トレを打ち上げた。その日は取材に応じなかったが、出発直前に振り返った。

 昨年の今ごろは、長引く膝の故障と向き合っていた。戦列復帰は4月までずれ込んだ。今年はW杯出場を決め、自身はさらなるビッグクラブへの移籍をもくろむ。さらには、6月にはコンフェデレーションズ杯が控える。3月に再開するロシアリーグで、明確な結果が求められることは分かっている。

 昨年11月のW杯アジア最終予選、アウェーのオマーン戦では、暑さから足が止まった。同じ失敗は許されない。そのために、最後まで走り切れる体をつくるためのヒント、コンディショニングの引き出しを学ぼうと必死に自主トレに取り組んできた。その結果は、まずは所属クラブで確かめていく。

 報道陣が入れない航空会社のラウンジでは、渡米直前のレッドソックスからFAとなった松坂大輔投手と“接近”した。本田が向かった先はCSKAモスクワが合宿を行うスペイン。1カ月の日本滞在を終え、確かな手応えと向上心を胸に渡欧した。【高橋悟史】