<国際チャンピオンズ杯:マンチェスターU0(5PK3)0インテルミラノ>◇1次リーグA組◇29日◇米メリーランド州ランドーバー

 日本代表MF香川真司(25)が輝く場所は、やはりトップ下だ!

 マンチェスターUは、国際チャンピオンズ杯1次リーグの第2戦で同代表DF長友佑都(27)が所属するインテルミラノと対戦。0-0からのPK戦を制した。香川は後半開始から今季初となるトップ下で出場し、好機を演出。PKのキッカーも務めて決めた。

 背中で組んでいた両手をほどくと、夜空を指さした。PK戦の5人目、MFフレッチャーが決めた瞬間、MF香川は心からの笑みを浮かべながら、チームメートの歓喜の輪に加わった。

 ファンハール新監督の体制で初めてトップ下で出場した。同15分、スペースを見逃さず、ワンタッチで左サイドの新加入MFショーへパス。1分後には、右サイドをドリブル突破したナニとペナルティーエリア内でワンツー。ナニの右足シュートはバーを越えたが、1本のパスでチャンスを演出した。0-0のまま突入したPK戦では、4人目のキッカーとして登場。右足インサイドでGKの逆をつき右へ、落ち着いて決めた。無得点ながらトップ下の役割をしっかり果たし、移籍報道を一蹴した。

 ファンハール監督も、香川の輝きを認めた。試合中は右手にペンを持ち、すかさずノートにメモ。選手をチェックする厳しい目をピッチに向けていたが、「今日は彼が希望する10番(トップ下)でプレーする機会を与えた。これまでの2試合より良いプレーをしたと思う」と及第点を与えた。ドルトムント時代からチェックしていたことを明かし「最初の2試合では、今のシステムの中で彼が6番や8番(ボランチ)のポジションでどういうプレーをするか試してみたかった」とプランを明かした。試合全体についても「前後半共に、パフォーマンスに非常に満足している」と納得していた。

 今後も複数のポジションで起用する可能性は否定できないが、トップ下で監督の目を引きつけたことは確か。香川はクラブの公式サイトで「新しい戦術やフォーメーションで、練習からいろいろなことを感じている」と話しており、手探りながら徐々にいい感触をつかんでいる様子。自分が輝ける場所は、自分でつかみ取るしかない。