日本選手団は、日韓の小旗をにこやかに振りながら入場した。19日夜、メーンスタジアムの仁川競技場で開かれた仁川アジア大会の開会式。投影機器を使って立体映像を映し出す「プロジェクションマッピング」と呼ばれる光の演出を駆使し、韓国の歴史や文化を紹介。アジアが一つに結ばれた未来も表現し、集まった観客を魅了した。
南北統一運動に取り組んできた韓国の代表的詩人高銀さんが作詞した曲をソプラノ歌手スミ・ジョーさんが高らかに歌い上げ、俳優チャン・ドンゴンさんも登場した。
入場した日本選手団は、アーチェリーの川中香緒里選手(23)が旗手を務め、緊張した表情。主将の重量挙げ三宅宏実選手(28)は、笑顔で右手に持った日韓の小旗を振った。
韓国選手団が登場すると観客は一斉に立ち上がって大歓声。カンボジア選手団の中には男子マラソンに出場するタレントの猫ひろしさんの姿もあった。
最後にPSYさんが世界的ヒットになったダンス曲「江南スタイル」を会場中央のステージで熱唱すると、各国の選手とスタンドの観客もリズムに乗って楽しんだ。駆け寄って一緒に踊る日本選手もいた。
86年のソウルアジア大会の開会式にも訪れたという黄圭順さん(63)は「またアジアのいろいろな国の人たちが集まるところを見る機会がありうれしい」と興奮気味。
チケットの料金設定が高かった影響か空席も目につき、孫順抄さん(44)は「満席にして仁川のイメージアップにつなげたかった」と残念そうだった。