<アジア大会:陸上・男子マラソン>◇第15日◇3日◇韓国・仁川

 嫌な予感は的中した。松村康平(27=三菱重工長崎)は「ずっと後ろについている。絶対ラストで来る」とマフブーブを警戒。35キロ付近でスパートも「中途半端になった」。トラック勝負に持ち込まれて1秒差の2位。「1秒差以上の力の差があった。金が目標だったので、非常に悔しい」。

 陸上を始めた大阪・芝谷中時代の01年、ベルリンマラソンで2時間19分46秒の当時世界新記録を出した高橋尚子に憧れた。マラソンを志したが、なかなか芽が出なかった。社会人2年目の11年2月には熊日30キロロードレースで1時間40分2秒の24位。「順位も覚えてない。マラソンできるかなと思った」。そんな男が初の国際大会で銀メダルだ。

 「最低限の結果は出せて自信にはなったが、世界と戦うには力が足りない。リオは小さいころからの目標。海外レースを経験したい」。まず15年世界選手権(北京)の代表切符を狙う。