2008年の北京五輪男子マラソン金メダリストで、宮城・仙台育英高に留学して日本にも縁が深かったサムエル・ワンジル選手(24)が15日、母国ケニアの自宅で死亡した。AP通信は地元警察の話として、女性関係のトラブルが原因の自殺、または事故死と伝えた。

 首都ナイロビから約150キロ北西のニャフルルにある自宅で、女性と一緒にいるところを妻に見つかり、口論の後にバルコニーから飛び降りた。同選手は酒を飲んでいたという。新華社電は飛び降りたのは逃げた妻を追いかけるためだったと報じた。

 ワンジル選手は15歳で来日し、高校駅伝などで活躍した後、社会人のトヨタ自動車九州で実力を伸ばした。一昨年のロンドン・マラソンで優勝し、シカゴ・マラソンは昨年まで2連覇した。

 しかし昨年12月に妻らを脅迫したなどとして告訴され(後に取り下げ)、ことし1月には交通事故で軽傷を負った。4月のロンドン・マラソンは右膝の故障で欠場した。