<全国高校駅伝男子>◇26日◇京都・西京極陸上競技場発着(7区間42・195キロ)◇47校

 42回目出場の鹿児島実が悲願の初優勝だ。世羅(広島)の3区チャールズ・ディランゴ(2年)の驚異的な快走で、4区への中継地点では1分14秒差の4位。そこから差を詰め、最後はアンカー7区の高田康暉(2年)がトラック勝負に持ち込んで大逆転した。記録は2時間3分59秒で県勢初優勝ともなった。

 鹿児島実の高田は残り1キロで世羅の大工谷の背中につき、トラック勝負のラスト300メートルで前に出てゴールテープを切った。「地元の選手だけで勝てた。それが一番うれしい」と上岡監督。近年の高校駅伝は留学生ランナーがかぎを握る。強烈な「個」にチームで対抗した。8位に終わった昨年の大会。翌朝、メンバーで同じコースを走ったという。「次は絶対、日本一になろうと誓い合った」(高田)。上岡監督は今年8月、父を亡くした。毎年、駅伝の季節を楽しみにしていたという。「喜んでくれたでしょうねえ」。初出場の1954年(昭29)から56年目。県勢初の感慨は、ひとしおだった。