<ツール・ド・ジャパン:西湖ステージ兼ブリヂストン杯>◇13日◇山梨県富士河口湖町・西湖周回10キロコース◇23クラス◇出場=1199人◇天候=晴れ

 Sクラスは大塚潤(31=Team

 YOU

 CAN)が、このレースで引退する山本雅道(33=ブリヂストンアンカー)の直後につけ好位置をキープ。ゴール前のスプリント勝負を制して、2年ぶり2度目の優勝を果たした。Wクラスは西塚優美(36=SQUADRA

 CORSA

 cicli

 HIDE)が初優勝。Aクラスは17歳の萩原慎也(NAMAZU

 PLUS

 栃木)が接戦を制した。

 道いっぱいに広がったゴール前の直線勝負。内側から抜け出したのは大塚だった。一昨年に続くSクラス2度目の優勝。「前回はもっと強かった。今回は勝てるとは思っていなかった。入賞できればぐらいに思っていた。無欲の勝利です」と話した。東京・八王子が本店の自転車ショップ「YOU

 CAN」富士店に勤め、販売と整備を行っている。「前回はまだバイト生活で、もっと練習ができました。今回は社員になって仕事が忙しくなった分、練習量は減りましたが気楽に走れたのが良かったのかもしれませんね」と喜んだ。

 今回のレースプランは、ゴールスプリント狙いだった。残り4周でチームメートが逃げを打ったが、「ついて行けず」(大塚の話)に6周目でようやく追いついた。こうなるとあとは山本の後ろについて勝負をかける作戦に絞った。とはいっても、その絶好の位置を確保できる可能性は極めて低い。「たまたまつくことができました。ラッキーでした」。仲間も大喜びで次々と祝福した。お店のお客さんで応援に駆けつけた鈴木清泰氏は「おとなしくてふだんは目立たない存在だけど、ハンドルを持つと人が変わりますね。昨年まで実業団で活躍していただけあって試合勘がすごい」としきりに感心した。

 練習は月に1500キロが目標。最近はがむしゃらに練習をするのではなく「レース前は練習量を減らして疲れを取るようにしています」。肩の力が抜けたことでまた新たな強さを身につけたようだ。