プロ4年目の堀琴音(21=東芝)がツアー初優勝に向けて首位発進した。前半1番から5連続バーディーを奪うなど9バーディー、2ボギーの65で回り、7アンダーの好スコア。昨年愛用していたアイアンを使用するとショットが安定し、勢い十分のスタートを切った。

 出だしの1番、ピン手前1メートルのパットがぐるりとカップをひと回りして沈んだ。運も味方した堀のバーディー発進。「ここから乗りました」と、一気に自身初の5連続バーディーを奪った。7、8番もピンまで1~2メートルにつける好ショットで連続バーディー。9ホールの大会最少スコアとなる29でハーフを終え、一時は8アンダーまで伸ばした。

 2位と1打差の7アンダーで首位に立ち、初めてスコアを気にせずに極限の集中状態に入るラウンドを体験したという。「アテスト(スコア提出)で(前半が)29だと気づきました。よく『ゾーン』に入ると聞きますが、これがそうなのかな」。自信に満ちあふれた笑顔で振り返った。

 今週から昨年愛用したブリヂストン製のアイアンセットに入れ替えた。愛称「こっちゃん」のネームが入った17年版とスペックは全く同じのアイアンだが「ショットがうまくいかないので気分転換で」と変更を決めた“作戦”が功を奏した。自然と前週から練習器具の鏡でフォームチェックしてきたパットの調子も上向きになった。

 幼少時代からテレビ観戦を通じ、憧れを抱いてきた今大会。「明日も今日みたいなプレーがしたい」と、早くも神経を研ぎ澄ませた。【藤中栄二】