<高校総体:サッカー・桐蔭学園1-1(8PK7)市船橋>◇29日◇秋田・八橋運動公園陸上競技場◇2回戦

 壮絶なPK戦は、9人目まで突入した。桐蔭学園(神奈川)のGK境龍登(2年)が、市船橋(千葉)DF小出悠太(2年)のキックをストップ。センターサークルの選手たちが、殊勲の境のもとに走って歓喜を爆発させた。3回戦進出を決めた境は「何も考えずに跳んだ。勝った時は、もう何も分からなくなりました」と、興奮を抑えきれずに言った。

 大会直前の16日、プリンスリーグで対戦した。1点を先制されたが、終了間際の連続ゴールで2-1と逆転勝ちした。この日も前半4分に先制点を許したが、焦りはなかった。45分ハーフの同リーグに対して高校総体は35分の「短期戦」。それでも、主将のDF内嶺大輝(3年)が「いつも通りにやることだけを考えました」という通りに細かいパス回しで市船橋ゴールに迫り、主導権を奪った。

 後半7分にはMF小形聡司(3年)が同点ゴール。「いい時間帯に点が取れて良かった」と山本富士雄監督(45)が振り返るように、その後は桐蔭が押し気味に試合を進め、PK戦も競り勝った。連覇を狙った優勝候補を倒し、選手たちは「最後まで行くぞ!」と雄たけびを上げた。「神奈川県勢はまだ1度も勝っていないので、優勝したい」。内嶺主将は過去最高のベスト4を上回る大きな目標を口にした。【荻島弘一】