<高校総体:陸上競技>◇5日◇岩手・北上市

 陸上男子400メートル障害決勝で、旭川大高(北海道)・佐藤陽太(3年)が、52秒48の自己ベストをマークし、3位に入った。陸上では北海道勢表彰台一番乗り。この種目では04年に優勝した東海大四の安原晃司以来7年ぶりにメダルを獲得した。「3位に入れると思っていなかったのでびっくり。ベストも出せたしうれしいです」と喜びを爆発させた。

 決勝ではスタートから、タイミング良くハードルを越え、最後は歩幅が合わなくなったものの気持ちでゴール。4位に0・04秒差で競り勝った。就任3年目の榎本慎吾監督(25)も「身長とは違いダイナミックな走りだった」と頑張りをたたえた。

 現在の身長は169・7センチ。もとは短距離選手で、高校1年の夏にこの種目に転向した。ハードルを跳び越えることによって、それまで猫背ぎみだった走りが矯正。その結果ストライドが伸びダイナミックな走りができるようになった。榎本監督は「初めてハードルをやらせた時も器用だった。天性のものですね」と話す。

 卒業後は専門学校への進学を希望する。本格的に陸上をするのは、今年が最後になる可能性が高い。今後は国体に出場する予定だが、まずは目標だった表彰台に上り「何とか結果は残せました」。小さなハードラーが最後の高校総体で有終の美を飾った。【石井克】