柔道女子78キロ超級の田知本愛(26=ALSOK)が初の全日本制覇を狙う。体重無差別で争う全日本女子選手権は19日、横浜文化体育館で開催。田知本は18日に同会場で会見し「優勝して、弾みをつけて世界に出たい」と、8月の世界選手権(カザフスタン・アスタナ)をにらんで話した。

 世界選手権では4個の銅メダルを獲得しているが、全日本選手権は準優勝が最高。出場回数は今大会出場選手最多の10回なのに、なぜかタイトルには縁がない。一昨年は決勝で緒方亜香里に敗れ、昨年も決勝で山部佳苗に一本負けした。「日本選手が相手だと、競った時に取り切れない」と消極的な姿勢を反省。「指導を取った後も、前に出ることだけを心掛けた」結果が、2週前の選抜体重別初優勝につながった。

 順当なら決勝で再び山部と対戦する可能性が高い。「1戦1戦に集中する」と言いながらも「去年負けた悔しさで臨む」とリベンジを誓った。世界選手権78キロ超級の代表争いは、体重別の優勝でライバルの山部を1歩リード。それでも「ここで勝たないと、世界はない」と、初の日本一へ自らに気合を入れて言った。