2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場(東京都新宿区)について26日、定例会見で舛添要一知事がほえた。

 18日に下村博文文科相が都庁を訪れ、新国立の整備費として要請した約500億円の東京都負担について、都側が了承していない段階で、文科省側が総理官邸に報告したことに激怒。「こちらに何の相談もなく、総理にそういう紙を持って行って『都に求めていいんですよ』っていうのはおかしい。いくらなんでも安倍総理はそんなもの信じないと思いますよね」と声を荒らげた。さらに「そういう説明を(18日の)会談の後に平気でやるっていう文科省ってのは一体、どんな組織なんだ」とあきれた様子だった。

 文科省の官邸への報告が判明した経緯については「私は(菅義偉)官房長官や安倍総理と極めてよくコミュニケーションが取れております。こういう状況で文科省とJSC(日本スポーツ振興センター)に任せていては、とんでもないことになると言ってあります。従って、私の所に情報が来るようになっている。だまされません」と話した。

 下村氏は18日に舛添知事と会談。開閉式屋根の建設を五輪後に後回しし、8万人収容の観客席の一部を仮設にする考えを示した。その上で都側に約500億円の整備費の一部負担を要請していた。