体操界のイケメン、加藤凌平(22=順大)が父とともにリオデジャネイロ、東京五輪を目指す。男子体操の強豪コナミスポーツクラブが1日、来春の入社選手を発表。世界選手権団体金メダルの加藤は都内で行われた会見で、元世界選手権代表の父裕之氏(51)が監督を務めるチームでの飛躍を誓った。尊敬する父の指導を受け、チームメートになるエース内村航平(26)を追いかける。

 父と同じ席に座り、加藤は入社を決めた理由を口にした。「頼りになる監督がいて、指導環境が整っている」。真っ先に出たのは、ロンドン五輪、世界選手権で一緒に戦った内村や田中佑、山室らの名前ではなく「監督」のこと。「まずリオ、その後は東京に照準を合わせて頑張りたい」と、5年先までを見据えて父のサポートを期待した。

 加藤にとって、コナミは「原点」でもある。10歳の時に「父に背中を押され」本格的に体操を始めた。05年にコナミにジュニア選抜チームができると、その1期生としてチーム入り。小6から中学3年まで練習した。裕之監督は「成長して帰ってきてくれたという感じですね」と話した。

 もっとも、当時は父とは違うコーチ。体操歴13年目で、初めて本格的に父の指導を受ける。「今まで違うチームだったけれど、これからは全力でサポートしてもらえる。その期待に応えたい」と加藤。父も「遠くから見ていたが、今度はサポートできる。体操を極めてほしい」と話した。

 「私に似てかどうか、イケメンばかりが先行しがちで」と父に紹介された加藤だが「(顔は)母似です」とバッサリ。それでも、得意の平行棒で最高難度Gの「カトウヒロユキ」(棒上からの月面宙返り下り)に名を残す父は「尊敬できる人」。世界選手権で活躍しながら五輪を逃した父から「平行棒で(自分を)凌(しの)いでほしい」とつけられた「凌平」の名の通り、加藤は父のサポートを受けて父を凌ぐ五輪金メダルを目指す。【荻島弘一】

 ◆加藤凌平(かとう・りょうへい)1993年(平5)9月9日、静岡県生まれ。父裕之さんに連れられ幼少期から体操に親しみ、小4の時に埼玉・越谷のナチュラルスポーツクラブで本格的に始める。小6でコナミスポーツクラブのジュニア選抜に移籍。埼玉栄高時代から注目され、順大1年で12年ロンドン五輪に出場。13年世界選手権個人総合では内村に続く銀メダルを獲得した。家族は両親と弟。163センチ、54キロ。