来年のリオデジャネイロ五輪に向け日本オリンピック委員会(JOC)と競技団体は現地で合同調査を行い、16日まで選手団の支援拠点となる「マルチサポートハウス」の予定地を視察した。

 最近の夏季五輪を開催した中国や英国に比べてスポーツ施設が少ないブラジルでは、各競技団体が自前で施設を確保するのは困難で、支援拠点の重要性が増しそうだ。

 JOCによると、現時点で独自に事前合宿地などを確保したのは水泳や体操など一部にとどまる。陸上や卓球などはまだ適当な施設が見つかっていない。前回ロンドン五輪では、マルチサポートハウスは主に日本食を提供する場として選手に好評だったが、リオで日本選手団の総監督を務めるJOCの高田裕司理事は「(練習拠点として)使いたいという要望が多い」と説明する。

 卓球はロンドンで地元の小学校を借り切って練習会場としたが、治安に不安があり、学校の設備も不十分なブラジルでは無理と判断した。今回はマルチサポートハウスに卓球台を持ち込む計画で、日本代表女子の村上恭和監督は「広いし、練習パートナーなどスタッフの宿舎が徒歩圏内で便利」と予定地に好印象を得たようだった。