女子バスケットボールWリーグのシャンソン化粧品が、主審に対して3000万円の損害賠償を求めていた静岡地裁への提訴を取り下げることが22日、分かった。来月中旬にも初公判が予定されていたが、法廷ではなく、リーグを管轄する女子日本リーグ機構が設立した第三者委員会(倫理委員会)で真相究明を目指していく方針を固めた。

 発端は昨年11月29日のWリーグのデンソー戦。53-53で迎えた第4Q終了間際に、シャンソンの三好がドリブルで切れ込みファウルを受けた。1度はフリースローが与えられ、審判も準備に入ったが、突然何の説明もなく、取り消された。単なる誤審ではなく、ルール上の権利が奪われた不正行為と問題視した。

 当初はWリーグが問題を検証せず、謝罪もなかった。そのため昨年末に問題提起の意味も込め、個人攻撃との批判を承知で提訴した。だがシャンソンが先月28日に会見を開いたことで、Wリーグも今月10日に、原因調査のために第三者委員会を設置。シャンソン側は今後、同委員会にさらなる中立性を求め、真相の解明と再発防止を訴えていく。