陸上男子ハンマー投げの室伏広治氏(41=ミズノ)が8日、東京・千代田区のスポーツ庁を訪れ、鈴木大地長官(49)に現役引退を報告した。先月の日本選手権以来初めて公の場に現れた同氏が「今後は、日本のスポーツ界のために頑張ります」と話すと、鈴木長官は「引退してからの方が長い。さらにメダルの輝きが増すように頑張ってください」と激励した。

 室伏氏は中学生の時、88年ソウル五輪をテレビ観戦。男子100メートル背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木長官のレースを「決勝でリスクを覚悟してバサロ(潜水泳法)の距離を伸ばした。自分の競技人生でも参考になった」と振り返った。04年アテネ五輪の金メダリストは「長官のように、自分の投てきが若い選手に影響を与えることができればうれしい」と話していた。