「何も言えない…」。リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダルの高藤直寿(23=パーク24)が決勝で、大学の後輩の永山竜樹(20=東海大)に負けた。

 試合前から「嫌だな」という感じがあったという。予感は的中し、開始1分38秒、小外刈りで畳に沈んだ。「五輪後は永山以外の相手に対しては、順調にきているなと思ったけど、完全にはまっちゃいました。(東京五輪までの)4年間で永山を倒さないときつい。足払いは警戒していたけど、あんなに投げられたら何も言えない…」と肩を落とした。

 東海大の先輩後輩にあたり、練習拠点も同じだが、稽古で組むことはほどんどない。昨年12月のグランドスラム東京大会決勝でも同じカードで負けた。「相性的に良くないけど、永山と互いに高め合って最後は僕が勝ちたい」。

 先月10日には、第2子となる長女の美蘭ちゃんが誕生した。愛娘にささげる勝利とはならなかった。