平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)の銀メダリストでショートプログラム(SP)5位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)がフリー179・51点の合計273・77点で2年連続の銀メダルを獲得した。羽生結弦に次ぐ世界歴代2位の合計321・40点で初の世界一となったネーサン・チェン(18=米国)には及ばなかったが、右足甲の痛みを乗り越えて表彰台に上がった。

 最後まで「攻める」ことにこだわった。難度を落とすことなく、挑んだのは五輪と同じジャンプ構成。冒頭の4回転ループは転倒し、続く4回転フリップも手をつくミスがあった。中盤までジャンプに苦戦する展開だったが、終盤は4回転-2回転の連続トーループを決めるなど執念を見せた。「良くない演技だが、最後まで滑り切れた。ぐだぐだに見えるかもしれないが、最後まで諦めずに持ちこたえたと思った。練習してきたことを信じて、頑張ることができた」。演技後は涙を流しながらも、取材エリアでは「汗か、涙か、判断してください」とおどけた。

 昨年9月のロンバルディア杯に始まり、今大会が今季9戦目(平昌五輪は個人・団体をひとまとめ)だった。途中、インフルエンザなどアクシデントもありながら、1度も欠場することなく駆け抜けた。5位に入った友野一希(同大)と合わせて、来季の世界選手権(さいたま市)の3枠を確保。初出場だった1歳年下に向けて「本当に頑張ってくれた。(3枠は)僕のおかげではなく、友野さんのおかげ」とねぎらうことも忘れなかった。