メキシコ以外でも感染が疑われるケースが続発している新型インフルエンザに関連し、日本カヌー連盟がメキシコ市郊外での高地合宿の中止または合宿地変更の検討に入るなど、日本のスポーツ団体でも28日、対応の動きが出始めた。

 カヌー連盟は8月の世界選手権(カナダ)に備え、7月にメキシコ合宿を予定していたが、本田彰事務局長は「不透明な部分もあるが、緊急事態なので、おそらく中止になる」と話した。

 日本陸連は米国に遠征中の実業団選手の動向など「情報を収集中」。飛び込みの北京五輪代表、中川真依(金沢学院大)ら4選手はカナダと米国の大会出場のため、27日に出発した。日本水連は5月1日に危機管理委員会を開き、状況が悪化すれば帰国させることも視野に入れる。2日からのシンクロナイズドスイミングのジャパン・オープン(東京)にはカナダなど海外から11の国と地域が参加するが、水連は選手団が入国する際に体調をチェックする。

 フェンシングは5月上旬のW杯東京大会を控え、海外から新型インフルエンザの状況を懸念する問い合わせも来るようになった。6月に太田雄貴(森永製菓)らが出場するW杯のキューバ遠征も含め、推移を見守るという。

 バレーボールは7月にメキシコで世界ジュニア女子選手権が開催される。日本バレーボール協会の成田明彦強化本部長は「事態がどうなるか当面様子を見て決めたい。国際バレーボール連盟の判断もある。5月に入れば、方向性が出てくるのでは」と見通しを語った。

 WBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃は5月にメキシコで防衛戦を行う予定だが、所属する帝拳ジムでは「タイトル戦開催についてはメキシコ側の判断に任せる」とした。