行政刷新会議の事業仕分けで日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化費を含むスポーツ予算が削減と判定されたことを受け、JOCの市原則之専務理事は26日、五輪メダリストらトップ選手が実情を訴えて異議をとなえる場を設ける意向を明らかにした。日本体育協会と連名で鈴木寛文部科学副大臣に面会を申し入れたほか、民主党議員に直談判もする構えだ。

 仕分け結果が来年度予算にどこまで反映されるかは財務省の予算査定で決まる。JOCの福田富昭副会長は「スポーツ政策の基本方針すら示さずに予算だけ削減されたら、五輪を前に影響が大きすぎる。行動を起こすしかない」と主張した。候補はアーチェリーの山本博選手(日体大女短大教)やフェンシングの太田雄貴選手(森永製菓)らで、スポーツ界を挙げてアピールする検討に入った。

 欧米諸国の強化費が100億円を超えるのに対し、日本は約27億円。文科省は「トップ選手の強化支援は国の責務」と説明したが、スポーツ振興基金やサッカーくじ助成との予算一本化を求めてきた「仕分け人」との認識の溝は深い。市原専務理事は「選手強化費などで変動収入のくじに頼るのは危険だ」と訴えた。