米ハワイ州で13日に開催された「JALホノルル・マラソン」で、89歳の後藤武夫さん(北海道北広島市)が同マラソンで自身18度目となる完走を果たした。

 タイムは9時間35分15秒で、目標の8時間台には届かなかったが、ゴール手前ではダッシュして健脚ぶりを披露。「暑くて、恥ずかしいタイムになったが、来年も参加したい」と早くも1年後に思いをはせた。

 大学の校務員だった60代のころ、大病を患ったのをきっかけに散歩を始めた。「スポーツは大嫌いだった」と振り返るが、2~3カ月で物足りなくなり、毎朝2キロを走るのが習慣になった。

 やがてマラソン挑戦を思い立ち、1991年に71歳でホノルル・マラソンに初出場。不整脈で断念した94年を除いて毎年参加している。最近ではレース後半に歩くことも増えてきたが、「抜かれたら、走って抜き返す」と後藤さん。今大会に同行した長女の石上みつこさん(61)も「こんなに負けず嫌いとは思ってもみなかった」と驚いた。

 1人暮らしで、炊事や洗濯も自分で行う。来年2月5日に90歳の誕生日を迎える“鉄人”は「健康で走れることがうれしい。ただそれだけです」と豪快に笑った。(ホノルル=共同)