2020年東京五輪のセールスポイントとなっている「8キロ圏内」のコンパクトな会場計画も見直される可能性が出てきた。12日、都庁で行われた東京五輪・パラリンピック調整会議後に五輪組織委員会の森喜朗会長と舛添要一知事が会見。森会長は「8キロ圏内」について「原則守らなければならないが、東京都民の皆様の理解も必要。レガシー、アクセス、環境の問題などいろいろある」と含みを持たせた。

 変更の可能性がある具体的な場所について聞かれると、臨海エリアを例に挙げた。

 森会長

 コンテナの基地、大変な数がある。コンテナを積んだ外国船などを止められるのか。補償はできるのか。あの地域は橋でつながっている。道路がつまったら大変なことになる。(都民の)ゴミ処理上もあり、それも止めなければならない。昨日(11日)はヘリコプターで見てきた。都民の生活に関係する道も多くある。日曜日の豊洲も見た。すごい人だ。そういうところを(五輪時に交通)ストップできるのか

 また、日本野鳥の会が自然破壊を懸念し、反対している葛西臨海公園のカヌー会場も「その問題まで考えたい」と断言した。

 10日開会した都議会定例会の所信表明で舛添知事は競技会場の整備計画について「全体を見直すべきとの結論に達した」と述べていた。この日の会議では「都知事の所信表明には全員が賛成」と森会長。舛添知事も「安倍首相も含め3人で協議してきた。我々3人が理解した上での所信表明」と訴えた。

 さらに舛添氏は「猪瀬都知事、舛添都知事とかのレベルではない。『猪瀬さんが嫌だから、森会長と舛添でやっている』という、そんなレベルの国家事業じゃない」と声を張った。